「マッサージ直後は軽いのに、翌日にはまた肩が前に入ってしまう……」。
その“いたちごっこ”の正体は、一時的なコリではなく、日常姿勢が体にしみ込んだ“学習”です。タイピングやスマホで腕が内側にねじれたまま、前かがみの時間が長くなると、小胸筋は短縮。背中は胸椎が丸まり(後弯)やすくなります。さらに胸郭が硬くなることで呼吸は浅くなり、自律神経が乱れて筋肉の緊張は高止まり。これが“戻ってしまう”悪循環です。
この記事では、高松・岡山で長時間デスクに向かうあなたが、「戻らない」姿勢をつくるための再学習プロトコルを、やる順番まで迷わないようにまとめました。
3分セルフチェック → 原因の理解 → 呼吸×自重トレ → デスク環境の最適化 → 1週間ルーティン。
読み終わる頃には、「何を/どの順で/どれくらい」すればいいかがハッキリします。今日は“気合い”より正しい手順でいきましょう。あなたの肩は、まだまだ変わります。
1. 3分セルフチェック:壁で今の状態を把握する
目的:主観に頼らず、客観的に巻き肩の程度を把握する。
やり方(3ステップ)
- 壁に踵・お尻・背中・後頭部を同時につける。あごは軽く引く。
- 肩甲骨の下角を意識して、胸をほんの少しだけひらく。力みは不要。
- 結果判定
- 頭が前に出る(後頭部が壁につかない)
- 肩や肩甲骨の一部が壁に触れない
→ どちらも巻き肩のサイン。写真を撮っておくと、後日の比較で変化が見える。
注意:痛みやしびれがある人、整形外科疾患の治療中の人は、まず医療機関で評価を。
2. なぜ“戻る”のか:巻き肩を固定化する3つの根本原因
原因① 小胸筋の短縮(+大胸筋の過緊張)
腕が内旋・前方牽引される時間が長いと、胸前面(特に小胸筋)が短縮。肩甲骨が前に引き出され、自然体でも肩が内巻きに。

原因② 胸椎後弯と抗重力筋の弱化
背中が丸くなると頭が前に出やすくなります。すると、肩甲骨まわりの背中の筋肉(肩の内側で姿勢を支える筋肉)がずっと引っ張られっぱなしに。
この状態ではその筋肉が力を出しづらく、良い姿勢をがんばらないと保てないので、長続きしません。

原因③ 浅い呼吸で胸郭がロック
胸が硬く丸まるほど、肋骨で囲まれた胸郭は動かない。呼吸は胸・頸部の浅い呼吸に偏り、自律神経は乱れやすく、全身の筋緊張が高止まり。「緩めても戻る」温床になる。
まとめ:胸前を緩める→背中を目覚めさせる→呼吸で体幹を安定。この順番と組み合わせが“戻らない”のカギ。
3. 「戻らない姿勢」を再学習する3ステップ
原則:環境で負担を減らし、呼吸×自重トレで正しい姿勢を脳と体に再学習させる。
3-1. リセット呼吸法(6回)
目的:胸郭の可動を取り戻し、体幹を安定させる“吐き切り”を学ぶ。
手順
- 椅子に深く座り、背筋をやや伸ばす。
- 3秒鼻から吸い、胸とみぞおち周囲の**360°**の膨らみを“軽く”感じる。
- 10秒口からゆっくり吐き切る。みぞおちが奥に沈むまで。
- 6セット。朝・昼・夜で分けてもOK。
ポイント:吐き切ると腹横筋が働き、自然に姿勢が整いやすくなる。
3-2. 抗重力筋を起こす自重トレ2種
狙い:僧帽筋中下部・菱形筋を中心に背面を活性化し、肩甲骨の位置を取り戻す。
- 種目1:壁プッシュ
- 壁プッシュ:壁に手をつき体を斜めに。胸をひらきながら押し戻し、肩甲骨を軽く寄せる。
<おすすめ動画>
https://youtu.be/d3ffO68pQhU?si=0fNz-DQtHuObOXYx
- 壁プッシュ:壁に手をつき体を斜めに。胸をひらきながら押し戻し、肩甲骨を軽く寄せる。
- 種目2:うつ伏せコブラ(10秒キープ×5セット)
腕の力は使わず、背中で胸を持ち上げる。腰反りは最小限、胸をひらく意識を最優先。
<おすすめ動画>
https://youtu.be/hfBu_5Nkny0?si=ZDoItUP7zRNsgIbu
よくあるNG:
- 肩をすくめる/腰で反る/回数重視で反動を使う → 効果が逃げる。フォーム優先。
3-3. デスク環境の最適化(その場で効く3原則)
- 目線=目線と同じか、目線よりやや下:頭部前方化を抑制。
- 肘90度前後:肩をすくめずにキーボードへ自然到達。
- 足裏全面接地:足台も可。骨盤が直立し、背骨が積み上がる。
補足:タッチパッドの多用は内旋誘発。外付けキーボード&マウスで肩を前に引かれにくい配置へ。

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4. 習慣化が命:巻き肩改善(総所要4分/日)
<おすすめ動画>
5. よくある失敗と修正
- 失敗:痛い部位だけを揉み続ける/強刺激に依存
修正:環境+呼吸+抗重力筋の順で“学習し直す”。まず呼吸の吐き切りを整え、背中が主役の感覚を取り戻す。 - 失敗:一気に長時間やる
修正:短く・毎日。フォーム精度>量。 - 失敗:モニターが低いまま
修正:台や書籍で即高く。ハードを変えると習慣化がラク。
まとめ(再確認と行動)
巻き肩は姿勢のクセ=学習の結果。だからこそ、短縮した胸前をほどき、背中を起こし、呼吸で体幹を安定させる——この順番が“戻らない”の条件です。
今日から始めるなら、①リセット呼吸法から、②モニター高さの見直しをしましょう。
高松・岡山エリアの方へ(次のステップ)
- 個別評価で最短ルートを知りたい → 「巻き肩・肩こり・姿勢リセットセッション(60–90分)」
姿勢チェック → コアチューニング® → 抗重力筋アクティベーション → 自宅メニュー処方。 - オンライン派 → 「セルフ・コアチューニング(オンライン)」
自宅のデスク環境も画面越しに調整、“戻らない”フォームを一緒に習得。
免責:急性痛・しびれ・既往歴のある方は、実践前に医療専門職へご相談ください。


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